2018-07-26
デザインスプリントとは、すばやく意思決定をするための5段階のフレームワークのこと。
「理解」「スケッチ」「決定」「プロトタイプ」「決定」という5つのプロセスを経ることで、スムーズに合意を形成できる。
デザインスプリントはデザイン思考を前提としている。デザイン思考が「心構え」であるのに対し、デザインスプリントはデザイン思考を実践に移すための具体的な枠組みのこと。
デザインスプリントに関する情報は、Googleが公開している以下のドキュメントを読んでおけば間違いないなかった。
オライリーからデザインスプリントの本が出ているが、基本的に上記のサイトの情報のみでもなんとかなる。
ただし本だけで紹介されている手法も結構あるので、知識の補強のために読んでおくとバリエーションが増やせる。写真やイラストがいっぱい載っているので目にも楽しかった。
デザインスプリント ―プロダクトを成功に導く短期集中実践ガイド
これまでに2周ほどデザインスプリントをまわしてみて、おおむね好感触だったので、そのことについてまとめる。
アルバイト先で新規事業の立ち上げの手伝いをしている。雰囲気としては社内スタートアップに近い。
分からないことだらけなので、ずっと手探りで進めている感じはある。
課題はたくさんあるが、特にディスカッションやブレインストーミングの部分で改善の余地が多く見られた。
具体的な問題点は以下。
「やること」よりも「やらないこと」を決めるのが重要という話はよく聞くが、まさにそれが上手くできていない状況だった。
上記の問題を解決するためにデザインスプリントを試してみた。幸いにもチームには新しいもの好きの人が多かったのでスムーズに導入できた。
全体の流れはGoogleのDesign Sprint Kitにあったテンプレートを参考にして、事前の打ち合わせ + 本番3日間で行なった。以降、3日で1セットとして繰り返し行っていく流れ。
こまかい部分まで書くと、それだけで記事を無限に量産できるレベルなので、かなりざっくりまとめる。
Day 0
Day 1
Day 2
Day 3
デザインスプリントの特徴は、ひたすらポストイットやホワイトボードに書くこと。
文字にするというプロセスを経ることで、「誰が言ったか」という要素を希薄化し、「何を言ったか」ということにフォーカスできるようになる。
またデザインスプリントは、「議論」をする時間を最小限にし、投票によってチームの方向性を素早く決定する。経験的に、議論の結果としてすばらしいアイデアが生まれることは滅多になかった。議論の果てに生まれるのは妥協の産物であり、結局それに誰も納得していないということがよくある。
デザインスプリントは「個人のひらめき」を重視している。(※もちろん他のメンバーのアイデアに触発されてもいいし、されるべき)
チームのメンバーは自分の視点から自分なりのアイデアを出すことが求められるので、多種多様で包括的なアイデアが場に集まる。そうやって盲点を最小限にした上で、最善のアイデアを選ぶということがデザインスプリントにおける決定の肝だと感じた。
デザインスプリントとてもよかった😇
打ち合わせの開始時間しか決まっていない
議論の発散と収束のバランスが悪い
話し合ったことが蓄積されていない
デザインスプリントのおかげでゴリゴリ合意が形成されていった。結果として、途中で議論がひっくり返ることがなくなった。毎回なんらかのアウトプットが求められるので、小さな達成感が毎回ある。また、それぞれの作業に制限時間があるので全員が本気になる。
もちろんはじめてのデザインスプリントということで改善点もいくつかあった。
いちばん難しいのはスケジューリングで、チーム全員が集まって、まとまった時間をデザインスプリントに費やすというのはコストが大きかった。
しかし「リソース効率」と「フロー効率」で考えると、デザインスプリントはリソース効率は悪いがフロー効率は圧倒的に良い。デザインスプリントの良さは、モブプログラミングの良さに相通ずるものがあるとおもう。
これからもデザインスプリントやっていきたい。